ジョンウィックは完結したのか?

映画

 犬殺しは死刑だ! 生類憐みの令が如くジョンウィックは亡き妻からプレゼントされた子犬を殺された復讐で何と約440人を殺害したのである。

 爽快な映画だなあ……。ペット産業がいささか熱狂的になってから久しいが、まあまあ大概の場合ペットの話題なんてのは微笑ましいことであって、ペットについて語りながら怒り狂ってる人はあまり見ない。

 話にいささか荒唐無稽なところはあるけれど、『ジョンウィック』を4作目まで観終わって少し寂しい思いになってしまった。ここ数年アマゾンプライムで『ジョンウィック』『96時間』『ワイルドスピード』を楽しんできた私にとっては楽しみが減ることになる。

 ジョンウィック最終章では、ラスト近くにジョンを狙う賞金稼ぎが武器として使う軍用犬が、他の敵に撃たれそうになったときに、ジョンはその犬を敵の魔の手からきっちり助ける。

 ネットのレビューを読む限りでは、このシーンでみんな拍手喝采したようで、「そらそうよ」「ブレへんな」「よっしゃ!」などとの感想を散見した。

 そりゃそうだよな。

 どんな生物を可愛いと思ってペットにするのかは人それぞれだが、犬猫は一般的でヘビやトカゲの爬虫類もいる。蛇の中でもアオダイショウってやつは不思議と人里近くにしか生息しないらしいので、古代では人間のために何らかの役に立つ家畜だったのかもしれない。インコや文鳥などはむしろ犬猫よりも日本では歴史のあるペットになるかな? 馬や牛になるとペットではなく家畜だろうとの向きもあろうが、現代のように食用として供され始める以前なら、農作業を共に行う仲間としてまた違った感覚で人間と接していたのではないだろうか? しかしそうなると豚はまた家畜としても違うのかもしれない。あれはイノシシを食用に品種改良したものだからだ。しかし現代では豚をペットとして飼う人もいるそうな。まあ、ブヒブヒフガフガかわいいかもな。

 馬や牛が家畜として広まったのは、農耕や運搬のために人の役に立つからであろうが、豚はまるっきりの食用からなのだろうか? 古代エジプト文明圏では人間の排泄物を豚に食わせていたと聞く。そしてその豚を人間が食うサイクルを悍ましいと感じたイスラム教徒が、豚を不浄の獣として食べないとの説があるらしい。

 その説の真偽はともかく、人間の排泄物が養分として作物が育って、その作物がまた食卓に供されるのは普通のことであり、何も豚に限ったことではない。むしろ広い範囲で言えばエネルギー保存の法則の如く、この世で滅びたものは全て次世代の養分となって行くのだから、これを悍ましいと言うべきなのだろうか?

 近年、都市部沿岸での近海漁業の成果が悪いのは、下水道の浄化設備が発展し過ぎて海の水が綺麗過ぎるからだそうだ。生活排水や屎尿は即ち海藻や貝やプランクトンの養分になるので、適度に人間が海を汚したほうが近海漁業のためには良いらしい。

 現代のイエネコや一般的なお座敷犬などはもはや人間との共生関係無しには生きて行けないだろうから、これを人間がかわいいと思わないはずがないのであり、ジョン・ウィックもこれはもう当たり前の人間の発想と言うべきか? 多分違うんだろうが。

 昨今の世界的物価高の影響もあって、畜産酪農関連でも家畜飼料の値上がり著しいようで、酪農家が乳牛のオスを養うことに負担が生じて来ているらしい。

 オスの乳牛は乳が出ないし肉牛としても適切ではないらしく、経済的利益を生み出しにくい。しかしオス牛がいなければ当然のことに雌牛だけでは乳牛の世代交代が出来ない。故に面倒を見きれなくなったオスの子牛が、せいぜい一千円程度で売りに出されても買い手が付かずにいるらしい。

 牛や馬ってのはとてもかわいい目をしている。ヨダレをダラダラと垂らすかもしれないし、牛小屋独特の臭いもあるだろうから、好き嫌い分かれるだろうが……とても飼ってみたい。何なら庭のある家に住んで庭の雑草を食わせておくだけじゃ持たないのだろうか?

 本当に裕福になれないのは悲しいことでしかないのである。

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